jcss校正と一般校正はなにが違うのか
校正とは計測器の不確かさを確認し標準器によって真の値に近づけることをいいます。計測器は使い続けているうちに気温や湿度など環境によって少しずつ誤差が生じ、時間の経過で次第に積み重ねられた誤差はやがて計測に影響を及ぼします。こうした誤差は把握しておかなければ製品の品質が不確かなものになるだけでなく、国が定める規格に適合していることを証明できなくなり、その製品を製造している企業の信頼や、日常生活を送る上での安全安心にも影響を及ぼします。校正には一般校正とjcss校正がありますが、この2つの違いは測定器のトレーサビリティを証明できるかどうかです。前者が校正をする側と依頼する側の信頼関係によって証明しなければならないのに対し、後者は国際規格に基づいているため、その校正を受けていれば測定器や標準器に対して簡単に校正証明書を発行することができます。
jcss校正の方法と必要な理由
jcss校正とはjcssの認定事業者がおこなう校正のことです。認定事業者とは確かな技術と校正能力があることを認証機関が認めた業者のことで、ISO並びにIEC17025の要求事項を充たす校正をおこない、結果として校正証明書を発行します。国際MRAに対応している認定業者が発行した証明書であれば海外主要国でも有効であり、トレーサビリティの追跡も可能ということになります。つまりこの証明書があれば測定機の精度と正確性を確保できるということであり、製品の品質だけでなく企業の信頼性も同時に担保できるということになります。計測器の校正方法は社内でおこなうか外部に依頼するかのいずれかになりますが、トレーサビリティが必要な場合はjcss認定業者に依頼して専門の担当者を派遣してもらうか、業者に計測器を送って校正してもらうかのどちらかになります。
トレーサビリティの確保で得られるメリット
jcss認定業者がおこなう校正のメリットはトレーサビリティの追跡が可能なことです。計量トレーサビリティとは測定器がどのような標準器で校正されたのかを明確にできるということであり測定結果が国際的、または国家標準に対して切れ目のない比較の連鎖ができるということです。jcss認定業者がおこなう校正と、その結果として発行される証明書はこれらを裏付けしているものでトレーサビリティ体系の構築を証明できる方法だといえます。またこれにより得られるメリットは、経済活動のグローバル化が進んだ現在においては統一された精度基準による品質の安定的な均一化を証明するものであり、例え出所の異なるものであっても精度には影響しないことを証明することになります。